分子候補と次の実験を提案する

分子設計 第 6 回 | 教科書 第 6 章

第 6 話 報告する

複数の要求と未確認事項を踏まえ、次に何を確かめるか

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これまでの経過

M0(炭素数だけの式)|M1(補正式)
炭素数| 二級なら 1| 分岐点の数|依頼沸点 115〜140 ℃・ 4.0 以上

前回の確認1 確かめた分子は = 2〜6、・ は 0 か 1( の分子はない)。
(6, 1, 1) の予測は、各列とも範囲内だから信頼できるか

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問い 1複数の要求と未確認事項を踏まえ、次に何を確かめるか

工程担当者「水溶性の資料も届いたよ。で、どれを使えばいい? 次に何を測る?」

報告するもの:既知の候補 1 つ、追加で調べる候補 1 つ、次に確かめる分子と物性

やってみる:第 1 回の応用演習の答えを出し、いま推すものを 1 語で書き足す

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今日の流れ 教科書 §6.1〜6.7

  1. 問い 1 ①既知の候補から、どれを選ぶか → 例題・基本演習 A
  2. 問い 1 ②新しい候補を、どう探すか → 考えてみる
  3. 問い 1 ③次に何を確かめるか → 例題・基本演習 B・応用演習 1・2

そのあと:問い 1 の答え → 実際のケモインフォでは → 自分の分野で考える

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2 つの要求を、同時に見る 教科書 §6.1

問い 1 ①どの分子が要求を満たすか

  • 点はすべて資料値

(g / 飽和溶液 100 g):25 ℃ で 2 層に分かれたときの、水相 100 g 中の質量

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この 5 分子で、沸点と水溶性を比べる 教科書 §6.1

問い 1 ①沸点と水溶性は、どう関係するか

灰色の矢印は向きを示す模式。データに当てはめた直線ではない

考えてみる(1.5 分):1-ペンタノール → 3-ペンタノールで OH が内側に移ると、沸点が下がる。その理由を、分子間力で 1 つ

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要求の境界から、どれだけ離れているか:余裕 教科書 §6.2

問い 1 ①境界からどれだけ離れているか

  • 余裕:要求の境界までの差
    境界の内側なら+、外側なら −(不足)
  • 沸点は下限から・上限までの両側
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例題:3-メチル-1-ブタノールの余裕

問い 1 ①境界からどれだけ離れているか

3-メチル-1-ブタノール(沸点 132 ℃、 2.67)の余裕を求め、2 つの要求を満たすか判定してください

解き方

① 沸点下限から ℃
上限まで ℃ → 範囲内

② → 1.33 足りない

③ 判定満たさない要求が 1 つでもあれば、
目標の領域の外

沸点は満たすが、 が 1.33 足りない
→ 既知の候補にはならない

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基本演習 A:既知の候補を比べる

問い 1 ①2 つのどちらを選ぶか

基準:沸点 下限 115 ℃・上限 140 ℃、 4.0 以上

手順 12-ペンタノール(119 ℃、4.46)の余裕を 3 つ、手で求める

手順 23-ペンタノール(116 ℃、5.15)も求め、アプリで確かめる

手順 3どちらを選ぶか。どの余裕を重く見たか、理由を 1 行で

問「余裕を足して点数にすれば、よい方が決まる」と言えるか

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基本演習 A:押して、余裕を見る

2-ペンタノール (4.46, 119)、3-ペンタノール (5.15, 116)。下限 115 ℃・上限 140 ℃・ 4.0 からの差を求める

終わったら:前の枚の手順 3 と問へ

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基本演習 A の答え(1)

手順 1・2 2 つの候補の余裕

① 2-ペンタノール沸点 下限から 4 ℃・上限まで 21 ℃、 +0.46

② 3-ペンタノール沸点 下限から 1 ℃・上限まで 24 ℃、 +1.15

2 つとも満たす。2-は沸点の下限に、3-ペンタノールは に余裕がある

手順 3 どちらを既知の候補に選ぶか

どちらも選べる:沸点の下限が心配なら 2-、 重視なら 3-ペンタノール

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基本演習 A の答え(2)

問 余裕を足し合わせて点数にすれば、決まるか

考え方℃ の差と の差は単位が違う。そのまま足しても意味がない。
点数にするなら、尺度と重みを目的から決める

言えない。そのまま足した点数では決まらない。重みは目的で決める

要点:資料値で要求を判定し、余裕は物性ごとに見る。選んだ理由を書いておく

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構造から、候補を探す:逆設計 教科書 §6.3

問い 1 ②資料値のない分子から、どう探すか

  • 逆設計:ほしい沸点から を探す
    M1 で沸点だけを予測する
  • (6, 1, 1):各列は確かめた値で、組み合わせだけ未確認 → こちらを調べる
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考えてみる:(6, 1, 1) になる分子を、構造式で挙げる

問い 1 ②(6, 1, 1) はどんな分子か

  • C6 の二級アルコールで、分岐点が 1 つのもの。4 つある。できるだけ挙げる(2 分)
    同じ炭素に枝 2 つ(炭素 4 個と結合する炭素)も、分岐点 1 つ
  • どれを先に調べたいか、理由を 1 行で
    使ってよい仮説:枝が多い、OH が内側 → 水に溶けやすい

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(6, 1, 1) の 4 つ:M1 では区別できない 教科書 §6.3

問い 1 ②どの分子を調べるか

  • 同じ記述子なので、M1 では同じ予測。どれを調べるかは別の根拠で決める。理由が書ければ、どれを選んでもよい
  • 授業の練習は 4-メチル-2-ペンタノールで(研究なら、測るまで値は分からない)
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新しい候補の、何が分かっていないか 教科書 §6.2・6.4

問い 1 ③何が分かっていないか

  • 余裕(下限から 16 ℃・上限まで 9 ℃)は、第 5 回の 5 分子での M1 の誤差(0〜5 ℃)より大きい。それでも組み合わせは未確認
  • 「沸点の要求には入りそうだが、未確認」と書く
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例題:境界に近い候補の、測り直しの計画

問い 1 ③何を確かめるか

3-ペンタノール(沸点 116 ℃、 5.15)を候補に残すか決めたい。1 つ測れるとき、何を確かめるか。確認の計画を立ててください

解き方

① 選ぶ判断が変わりそうなのは、下限まで 1 ℃ の沸点( は +1.15)。目的:測り直しても範囲内か

② 測るもの要求値と同じ常圧で繰り返して測り、
値の幅も書く

③ 結果ごとの行動115 ℃ 以上 → 候補に残す
115 ℃ 未満 → 2-ペンタノールを優先

目的・測るもの・結果ごとの行動を、測る前に書く

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基本演習 B:次に確かめる 1 つを決める

問い 1 ③何を確かめるか

4-メチル-2-ペンタノール:沸点 予測 131 ℃(余裕 9 ℃ 以上、未確認)、 欠測(基準 4.0)

手順 11 つだけ確かめる。残すか外すかの判断が変わる方を選び、目的を 1 行で

手順 2結果が要求を満たす場合と、満たさない場合の行動を、先に書く

手順 3アプリで結果を見る

問「1 つ確かめたので、この候補は確かめたことになる」と言えるか

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基本演習 B:選んで、行動を書いてから、結果を見る

か沸点のどちらかを選び、目的と、結果ごとの行動を書く

終わったら:前の枚の問へ

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基本演習 B の答え(1)

手順 1 確かめる物性と目的(成立する例)

を選ぶ欠測で、4.0 以上か未満かで残すか外すかが変わる

沸点を選ぶ未確認の予測が外れていれば外す。二級+分岐の補正を点検する

どちらも成立する。目的を書く

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基本演習 B の答え(2)

手順 2 結果ごとの行動(成立する例)

なら4.0 以上 → 残す(沸点は予測のまま)/ 4.0 未満 → 優先度を下げる

沸点なら115〜140 ℃ → 満たす( は欠測のまま)/ 範囲外 → 外す・補正を見直す

言葉優先度を下げる=今の目標では候補にしないが、記録は残す

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基本演習 B の答え(3)

問 結果を見て、確かめたことになると言えるか

沸点を選んだ資料値 132 ℃(予測との差 1 ℃)。 は欠測のまま

 1 分子で合っても、二級+分岐の補正が一般に正しいとは言えない(第 5 回)

を選んだ教材に資料値なし。架空 3.6 → 優先度を下げる/架空 4.6 でも沸点は予測

どちらの場合も言えない。採用は確定しない

要点:1 つ確かめたら、何が分かり、何が残ったかを書く

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応用演習 1:最終提案をまとめる

問い 1報告をどう書くか

工程担当者「報告は 1 枚で。結果が違ったときの方針も書いておいて」

  1. 既知の候補と、根拠の資料値
  2. 追加で調べる候補の、構造の特徴・予測(M1)・未確認の点
    基本演習 B で沸点を確かめた人は、資料値も書く
  3. 次に調べる物性・条件と、優先する理由
  4. 結果が要求を満たす場合/満たさない場合の判断

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応用演習 1 の答え(1)

最終提案の例(成立する例の 1 つ)

① 既知の候補2-ペンタノール(沸点 119 ℃、 4.46。どちらも資料値)

② 追加の候補4-メチル-2-ペンタノール (6, 1, 1)、二級+分岐
予測 131 ℃( は未確認)、 は欠測

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応用演習 1 の答え(2)

最終提案の例(続き)

③ 次に調べるその (25 ℃・水相・飽和溶液 100 g あたり)。残すかを決める値

④ 結果ごと4.0 以上 → 候補に残す / 4.0 未満 → 優先度を下げ、既知の候補で進める

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応用演習 2:第 1 回の答えと比べる

問い 1何が変わったか

手順 1第 1 回の応用演習の自分の答えを出す

手順 2何を根拠に判断を変えたか(変えなかったか)を 1 行で。根拠の語(資料値、予測、未確認)を使う

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応用演習 2 の答え

第 1 回の自分の答えと比べて

第 1 回4 分子のデータだけ。構造を変えた候補分子は仮説で、確かめられなかった

今日資料値・予測・未確認を分けて書ける。次に確かめる 1 つと、その理由を言える

例第 1 回:OH を内側に移せば溶けそう(仮説)→ 今日:2-ペンタノールの資料値 4.46 で確かめた(この 5 分子で)

根拠:条件をそろえた資料値、確かめた予測と、その範囲

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問い 1 の答え資料値で候補を選び、判断を変える値を 1 つ確かめる

問い 1:複数の要求と未確認事項を踏まえ、次に何を確かめるか

  • ① 既知の候補:
    2-ペンタノールか 3-ペンタノール
  • ② 追加の候補:
    4-メチル-2-ペンタノール
  • ③ 次に確かめる(例):その
    結果しだいで、残すか外すかが変わる値。沸点を選ぶ答えも成立
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実際のケモインフォでは:予測と実験を繰り返す

  • 第 1 回の有機 EL の例も同じ:予測で絞り、計算と実験で確かめ、次を選ぶ
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自分の分野で考える(個人・2 分)

  • 右の列を 2〜3 項目。残りは宿題(manaba の質問・コメント欄に任意で)
  • 自分の研究か、学生実験や身近な例で書く(研究室の未公開データは書かない)
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まとめ:今日できるようになったこと

今日できるようになったこと

  1. 資料値で 2 つの要求を判定し、
    余裕を物性ごとに見て候補を選べる
    2-ペンタノールか 3-ペンタノール
  2. 逆設計で構造を挙げ、新しい候補を
    資料値・予測・欠測・未確認に分けて書ける
  3. 目的と結果ごとの行動を先に決めて、
    次の確認を 1 つ選べる

まだ分からないこと

  • 4-メチル-2-ペンタノールの → 次の実験
  • 二級+分岐の補正は 1 分子だけ
    ほかの (6, 1, 1) も、実際の工程
    (混合物・温度)での性能も、別に確かめる
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6 回でしたこと

返信メモ 工程担当者より「報告ありがとう。資料値のある候補で進めつつ、追加の候補は次の測定の結果で決めよう」

  • 3 つの進め方(第 1 回):データ駆動で絞り(M1・逆設計)、計算の代わりに分子間力の説明で仮説を立て、経験(実験・資料値)で確かめる
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次回:第 7 回 定期試験

  • 60 分・マークシート形式(答えは選択肢から選ぶ。計算した値も選択肢から選ぶ)
  • 共通の題材で出題する。必要な情報と式(M0・M1 の式、MAE の定義など)は問題に示す
  • データの比較、記述子と類似性、予測と検証、候補の選択、確認計画を問う
  • 電卓・持ち込みなどは manaba で知らせる

今日の復習 小テスト第 6 回(manaba)・基本演習を解き直す 教科書で読む 第 6 章 試験の準備 付録 C の総合問題(試験と同じ 5 つの型。記述で解く練習)、各回の小テスト

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