| 問い | 演習 | |
|---|---|---|
| 1 | 反応では、どの軌道が働くか | A:準位差から働く組を選ぶ |
| 2 | 結合ができるかは、何で決まるか | B:両端の符号で許容・禁制を判定する |
| 3 | 環が閉じるとき、両端はどちらに回るか | C:con / dis と熱・光 |
安定化エネルギー
分子 A の被占軌道群と分子 B の空軌道群。差が最も小さい A の HOMO と B の LUMO の組が主に働く
設定 ブタジエン(HOMO
① 組を決める 占有側の HOMO → 空側の LUMO:ブタジエン → 各ジエノフィル
② 差をとる
③ 安定化の比(差の逆比)
② 差は数直線上の距離(絶対値をとる) ③ 安定化は差に反比例(差が小さいほど大きい)
1
2 ① 差 (i)
2 ② 比 安定化は差の逆比:
3
要点:働くのは一方の HOMO と他方の LUMO。準位差が小さい組ほど強く相互作用する
色は
直鎖ポリエンの下から
設定 ブタジエン(π 電子 4 個)。係数の符号は C1〜C4 の順、両端は C1 と C4
① HOMO の
② 節の数
③ 両端の符号 節が偶数なら同符号、奇数なら逆符号 → HOMO
HOMO の
s-cis のブタジエン(上)とエチレン(下)
設定 ブタジエン + エチレン
① 重なり図を描く 結合ができる二か所を向かい合わせる → C1–C6 と C4–C5(前のスライド)
② HOMO / LUMO を割り当てる 一方の HOMO と他方の LUMO。両端の符号は節
③ 二か所の符号を見る 二か所とも同符号なら許容、一方でも逆符号なら禁制 → C1 に青、C4 に橙が来るように向ければ、二か所とも同符号 → 許容
② 両端の符号は前の例題から読む(ジエンの HOMO
ブタジエンの HOMO
HOMO
1 節は
2 ① 両端の符号 HOMO は
2 ② 判定 二か所とも同符号なら許容 → 熱で許容。π 電子は
3 2 + 2 は一端で逆符号が向き合う。符号は距離では変わらない → 正しくない。近づけても打ち消し合い、二本の結合を同時に作れない
要点:結合ができる二か所の両方で同符号が向き合えば許容、一方でも逆符号なら禁制
| 回り方 | 名前 |
|---|---|
| 両端を同じ向きに回す(両方とも時計回り) | 同旋(conrotatory, con) |
| 両端を逆向きに回す(一方は時計回り、他方は反時計回り) | 逆旋(disrotatory, dis) |
上:両端が逆符号なら同じ向きに回す(con)。下:両端が同符号なら逆向きに回す(dis)
ブタジエンの π 準位。右の二つの丸は C1・C4 の符号で、一段ごとに同・逆が入れ替わる
設定 π 電子 6 個の直鎖ポリエン(軌道は
① 働く軌道を決める 熱は HOMO(
② 節の数
③ 両端の符号 節が偶数なら同符号、奇数なら逆符号 → 熱 同符号、光 逆符号
④ 回り方 同符号なら dis、逆符号なら con → 熱 逆旋(dis)、光 同旋(con)
① HOMO は 電子数 ÷ 2 番目の
問い ヘキサジエンの閉環で、熱では trans 体、光では cis 体。なぜ逆の立体ができるのか
熱では
ビタミン D の生成(B 環の開環)。π 4 個 + 切れる σ 2 個 = 6 個。光では
1 16 個は
2 光は一段上の軌道で判定 →
3 開環では π 電子に切れる σ の 2 個を足す → π 6 個 + σ 2 個 = 8 個(
| π 電子数 | 熱 | 光 |
|---|---|---|
| 同旋 con | 逆旋 dis | |
| 逆旋 dis | 同旋 con |
要点:反応を決める軌道(熱は HOMO、光は一段上)の両端が逆符号なら con、同符号なら dis
| 節 | 内容 |
|---|---|
| 章の冒頭 | ウッドワード・ホフマン・福井の仕事と 1981 年のノーベル化学賞 |
| §11.1 | 二準位の反発から安定化の式を出す考え方(付録 A.3) |
| §11.2 後半 | 両端の符号を、分子の中央の鏡に映したときの対称・反対称で言い換える見方(軌道対称性) |
| §11.5.1 後半 | 合成化学で熱と光を選んで立体を作り分ける話 |
核心 色 = HOMO–LUMO ギャップ = 光の吸収エネルギー。共役が長いほど長波長へ
今日の復習 演習 A〜C を解き直す。ブタジエンの熱・光の電子環状反応の立体を、HOMO の位相から描いて予測する。小テスト第 03 回を受ける
次回の予習 光の波長とエネルギーの関係